『ドイツでは「卍」やめます』について疑問を感じたので、下記の内容(若干加筆)を蜂須賀連宛に(メールアドレスが見つかったので)送ってみた。
その前に、同種の意見を紹介: 卍(まんじ)がダメ!?冗談じゃない!! (阿波踊りをなさっている方の意見) 日本人としての矜持を 末尾に逆の意見と、元記事。 ------------ 蜂須賀連 御中 (hatisukaren@yahoo.co.jp) ミズーリ大学の大学院生の居相政史と申します。東京の阿波踊りの町、高円寺の出身です(踊ったことはありませんが)。「ドイツでは「卍」やめます ナチス連想と阿波踊り協会」の記事に関し、意見がございますのでメールをお送りした次第です。記事だけに基づいて書きますので、不理解もあるかもしれませんが、ご容赦下さい。 「連想による余計な摩擦を避けたい」との配慮ということですが、私はこの「配慮」が今後によくない影響を及ぼす危険性を感じます。すなわち、「卍」を隠さなければならない範囲がドイツにとどまるのかという疑問です。たとえば、ポーランドではどうでしょうか。同じ「配慮」が必要になりそうです。ドイツ、ポーランドで隠さなければならなかったものが、フランスで問題なく使用できるのでしょうか。ナチスの問題はヨーロッパどこでも重い問題だと思います。ヨーロッパ全土で「配慮」が必要となった場合、その他の国で不要なのでしょうか。ナチスを許容しないのは事実上、世界共通です。日本で開催の国際イベントでも「配慮」することになりかねません。 記事から、すでに卍を付けて海外公演を行なったことがあると読みとれますので、「ドイツ以外では大丈夫だ。実際にやってきた。」とおっしゃるかもしれません。しかし、今後他の国で、「ドイツでそういう配慮をしたなら、うちでもしてくれ」という話になる可能性は想像に難くありません。結果、「外国では「卍」やめます」となり、そのうち、国内でも、徳島県内でも隠すことになり、蜂須賀家の家紋は初めからなかったことに。。 話が飛躍しているとお考えになりかもしれませんが、「余計な摩擦を避けたい」という消極的な考えが根本だとすると、その判断は近視眼的だといわざるを得ません。今はよくても、上記の通り、いずれ取り返しの付かない結果に陥りかねません。日本国内ではこのような配慮が支持を集める傾向があると思いますが、「国際交流」においては必ずしもそうではないと考えます。むしろ、必要なのは違いを説明し理解を求めることではないでしょうか。何も説明しなければ誤解されて当たり前です。相手は知らないのですから。 連員、現地での通訳など日本側全員が、蜂須賀家とまんじ、ナチスとカギ十字に関する歴史の要点を理解し、一貫した説明が堂々とできるようにする。これが最重要。主要マスコミ、地元の報道機関にも先手を打って解説文書を送る、説明会を開く。イベント内でも解説して貰う。まんじとカギ十字に関する説明を載せたパンフレットや観光案内を配る。積極的な説明作戦こそ相互理解、国際交流において大切ではないでしょうか。『外国で「阿波おどりはナチスと関係があるのか」と尋ねられ、説明したこともあるという。』と記事に書いてありましたが、それのどこに問題があるのでしょうか?説明し納得して貰えばいいのです。たしか、少林寺拳法が、卍のシンボルマークを最終的にあきらめたという報道があったと思いますので、難しい面もあると思います。それでも、説明こそが異なる文化を継承する人々の国際交流ではないでしょうか。 衣装の卍は消すことにしたようですが、それが私ごときの意見で変わるとは思っていません。衣装に卍を付けて歩いていると、玉子か石か投げつけられるのかどうか知りませんが、そういう懸念もあるかもしれません(記事からは読みとれませんが)。ただ、たとえば、パンフレットの風景写真などにさりげなく蜂須賀家の御紋を載せておいて、そこできちんと説明するなど、卍への理解を促進する地道かつしたたかな戦略が必要だと思います。そうして少しずつ、大胆にしていく。そうしなければ、永遠に隠し続けざるを得なくなると考えます。実際、「隠す」というのはなにか後ろめたいことがあるからに違いない、という考え方もあります。やはり何か「阿波踊りとナチスには関連」があるのだろう、と。 こういうことも考えられます。将来何らかの理由で阿波踊りの海外公演をやめさせたい勢力が現れたとします(たとえば、A国のイベントで、阿波踊りが採用されたせいで、B国の民族舞踊が採用から漏れたなど)。そのやめさせたい勢力が悪意をもって、卍の入った日本での阿波踊り風景の写真をもって、あいつ等はナチスと関連があるから不採用にすべきという主張を展開したとします。開催主は阿波踊り側に問い合わせ、阿波踊り側は関係ないという反論をするでしょう。しかし、係争が起きたら自分の正当性を主張するのはだれでも同じです。反論したからといって、ああそうですかとはなりません。開催主は、ドイツ公演で黙って卍を隠していたという客観的事実を知ったら、怪しいと思うでしょう。そうしたら、開催主は「余計な摩擦を避けるために」阿波踊りを除外するかもしれません。一度、そのような判断が、阿波踊りとナチスの関連性という形で、下されてしまったら、それは消えません。その判断を根拠に、外国の他の開催主も「余計な摩擦を避けるために」阿波踊りを避けることが定着する恐れがあります。こうなっては手遅れです。このような事態を防ぐ方法は、一歩目からしっかり積極的に説明していくことしかありません。 話は変わりますが、今年に入ってメルボルン事件(濠で日本人が麻薬密輸犯として禁固20年の判決を受けたが、冤罪だといわれている)の最後の邦人が十余年の服役の後、帰国したというニュースがありました。この冤罪事件の原因は、通訳の不備などもあり、最初から一貫してはっきり罪を否定しなかったことだといわれています。自分は無実だから罪に問われるはずがないと油断していたら、有罪判決が出て、それから必死になって否定したが、二度と覆ることはなく、十年以上を牢屋で費やすことになってしまったそうです。阿波踊りの件では誰が捕まるわけでもありませんが、記事を読んだときにメルボルン事件を私は「連想」しました。文化の一部が抹消されてしまう危険性を感じましたので、詳しい事情も分からないまま、不躾ながら私の考えを送付させていただくことにしました。御公演の成功をお祈りいたします。 居相政史 ---------------------------------------------- 逆の意見も一応:徳島新聞5月16日:「観光PRとはいえ二十世紀最大の戦争犯罪について知っておくのは大事なことだ。 」 知らないから卍を使おうといっているのではなく、安易に隠したら、(上記の通り)ナチスの犯罪に全く関係のないはずの阿波踊りが、負の伝統をもったものと疑われかねないところが問題。だから、敢えて使って、違うものが世の中にあることを知らしめるのが大事なことだ。 元記事: Excite エキサイト : 社会ニュース:ドイツでは「卍」やめます ナチス連想と阿波踊り協会 [ 05月20日 18時13分 ] 共同通信 by iaimf | 2006-05-23 10:18
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